「ムーンライズ・キングダム」 (Moonrise Kingdom. 2012. アメリカ)
ツイッターを見ているとなんとなく評判が良さそうで、だからこそ何の前情報もなく録画して観てみたらオープニングからどんどん引きこまれてしまいました。
カメラの回し方、タイトルの出し方、人物の画面上での配置のしかた、話の展開。映画製作のことはよく分からないけれども、撮っている側も楽しそう。
シュールな映画はもともと大好きなので、これも例にもれず。
キャストも豪華で、ブルース・ウィリスなんてこんな役今まであったっけ?と思えるような好演ぶり。その他も、エドワード・ノートン、ティルダ・スウィントン、フランシス・マクドーマンド、ジェーソン・シュワルツマン、ウェス・アンダーソン監督作に常連のビル・マーレイ。主役の子供2人は全くの新人なのに、彼らベテラン勢が脇を固めています。こういうキャストの構図もどこか好きです。
特にどんでん返しもなく、ラストの展開には思わず笑ってしまいました。主役の女の子のファッションがどことなくラナ・デル・レイを連想させて印象的。男の子は話し方に癖があって、風変わりな男の子をとても上手に演じていました。
こういう、テンポがゆるいながらも色彩がはっきりしてシュールな世界観をもった映画は実にアメリカらしいと思います。うまく言えないけれど、少なくともイギリス映画だったらぼんやりしててカサカサしているイメージ。どちらも同じくらい好きですが。
「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」
(The Royal Tenenbaums. 2001. アメリカ)
私にとってのウェス・アンダーソン監督作、第2弾。またまたカラフルでシュールな世界観を展開しています。
結論から言うと、「ムーンライズ・キングダム」とは違ってこの作品の人物にはあまり共感できませんでした。子供が中心となっている映画が好きなんだなあと思います。
まあ、それは個人の感想にすぎないわけで。オープニングから、これこそウェス・アンダーソン!と思えるような要素が散りばめられていて、「ムーンライズ~」を観た直後の身としてはわくわくせずにはいられませんでした。
この作品で個人的にツボだったのは、ベン・スティラー、ルーク・ウィルソン、グウィネス・パルトロウが兄弟を演じていたところ!(グウィネスは養女、という設定でしたが。あまりそれについては詳しく説明されていなくて、そこがまたいいなあと思います)
今では実現しないだろうなあ。それ以上に、この顔触れを難なく家族にしちゃうところがすごい。またそのグウィネスの夫役がビル・マーレイなのも笑えました(笑)そしてそして、ルーク・ウィルソンがすごく引き締まってて、マルーン5のアダムみたいに見えました(たぶん気のせい
先程も言ったように本作の人物やストーリーはあまり好きになれなかったのですが、グウィネスのファッションは一見の価値あり!かと思います。本当に可愛い。性格は意味わからないけれど。
「天使の分け前」 (The Angel's Share. 2012. イギリス)
このポスター!このテーマ!を見た日から気になってしかたがなかった作品。
人生で初めてのホームステイ先って、他人には理解してもらえないほど思い入れが強くなりますよね、自然と。スコットランド、また行きたいものです。
どうしようもないダメ男が一世一代の賭けにでる、という、話はありふれているものの描き方は面白かったです。主人公のロビーの詳しい事情や家族のこと、恋人との出会いなど、ほとんど詳しく触れられなかった点もなんだかリアルでした。
映画を観ながら人物のアクセントを聞くのが実は趣味の一つなのですが、本作のスコットランド訛りは正直すごくきつくて途中で酔ってしまいました(笑) 特に舞台はグラスゴー。グラスゴー訛りはきつくて速くて何言っているのかよくわからんwとエディンバラで会ったバスの運転手さんが言っていました。途中で出てきたワイン・セラーの男性はスコットランド人ではないのでしょう(ロンドンだったかな?)、英語が聞き取りやすく感じられました笑
彼らがやったこと、正直言って「それ、どうなの?」と思うこともあったものの、ラストは実に爽やかでした。スコッチ・ウィスキー、スコットランドで体験したときはなめることしかできなかったけれど、味のわかる大人になりたいものです!