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2018/04/17

2018年1~4月:鑑賞リスト

『わたしは、ダニエル・ブレイク』
2018年初めて観たのが、この作品。レンタルした。
言ってみればかなり地味な作風、だからこそ現実的で、
ショッキングな場面が多かった。最後まで。
きっとよりたくさんの人に観てほしいというのもあっての、パルムドール受賞なのだろうな、と感じ入りながらエンドクレジットをただ茫然と見つめていた。

『ヒトラーの忘れもの』
第二次世界大戦後のデンマークに、地雷を除去するために送り込まれたドイツの少年兵たちの話。
初っ端から恐ろしさに震え上がるような迫力の軍曹、
どう関わっていくのかと思いきや、その少年兵たちが地雷を取り除くのを指揮するのだ。
「これは作りもの...映画...!」
と言い聞かせなければ本当にやっていられないシーンが続出し、
観たあとは疲労でいっぱいに。
それでもデンマークの自然の美しさや音楽にどうにか癒される。
そんな作品だった。
やっぱりアカデミー賞外国語映画賞、のノミネート作品や出品作品は見逃せない、と思う。

『ぼくとアールと彼女のさよなら』
どんな話なのか、病気の女の子が出てくるのか、そうか、と思って
とりあえず録画はしたものの長らく放置していたのが
一度再生ボタンに手をのばしたら見事に最後まで引きこまれた。
『ラブリー・ボーン』でも使われていたBrian Enoの曲と、ある場面でのコラボレーションが素晴らしいの一言。
音楽と映像と、それを目に焼きつける登場人物の表情だけであれほど感情をぐわんぐわん揺さぶられるとは思わず、気がついたら涙がこぼれていた。
でも悲しいからではなくて。圧倒されての、涙。

『シェイプ・オブ・ウォーター』
めずらしく友人と劇場で鑑賞。
人と観に行くと気まずい、というのをあとから知った、
まあそれが親じゃなくてよかった(笑)
好きか嫌いかと言われれば好きだし、観たあとはどっと疲れた(満足した)けれど、
正直なところ「1回でいいです」。

『メッセージ』
WOWOWにて。
サピア=ウォーフの仮説の勉強にはもってこい!これ観たら絶対忘れません!
言語学を専攻しているので、このいわゆる言語相対主義をつかって物語を作るとなるとこうなるのか、とそれだけで感無量だった。

『ライオット・クラブ』
私がイギリスでの留学をはじめた2014年秋ごろ、
町なかでポスターを見かけていた作品。
英国のイケメン若手俳優勢ぞろい、だけれど中身はとんでもない下衆。
実はオーストラリア出身のサム・リードの出演が嬉しかった。好きなので。
どうでもいいのですがposhのイギリス発音が好きです。

『レッド・スパロー』
気分転換と「スパイものが好き」という理由で劇場へ。
とんでもない豪華キャストだったので劇場の椅子のうえで驚いていた。
ジェニファー・ローレンスの七変化が楽しめるほか、
ロシアや東欧の怪しい雰囲気のなかでのスパイ活動、やはり映える。
ロシア人の設定なのにほぼ英語だったり、そもそもキャストにロシア人ほとんどいなかったり、そこがかなり引っかかって集中できなかった、のは最初だけ。
全体として楽しめた。
たしか前述の『シェイプ~』 の本編開始前にこの予告を見たのだが、
なんとなく、「お気楽な展開のハリウッド的スパイ映画?」と思いそれほど興味はなかった。もし同じ理由で鑑賞を見送ろうとしている人がいたら、おすすめしたいところだ。

2017/12/04

婚約者の友人

Frantz. 2016

1919年のドイツ. フランスとの戦いで婚約者フランツを亡くし悲しみに暮れるアンナはある日, 彼の墓の前で涙を流して立っている男性を見かける. ほどなくしてアンナとフランツの両親が暮らす家に訪ねてきた男性はアドリアンと名乗り, 戦前にパリでフランツと知り合い親しくしていたという. アドリアンが敵国フランスの出身ということで最初は彼を拒んでいたフランツの父, ハンスも, やがて彼の語るフランツとの思い出話に心を開くようになる. アンナ自身も, いつしかアドリアンに惹かれていくのだった. ところがアドリアンにはずっと隠していたことがあり.....

※ネタバレ少しあります.

モノクロ映画かと思いきや, 時々カラーになる凝った演出に, まず驚かされる.

アドリアンを演じるピエール・ニネの出演作は初めて. 彼のこの世のものとは思えない美しさにくぎづけになった. 迷い苦しみ, けれどもそれも自分のエゴのため. そんな青年を丁寧に演じており, そしてたまらなくお似合いだ. 手を触れた途端に崩れてしまいそうな儚さもある.

それに比べ, パウラ・ベーア演じるアンナは, ぴんと伸びた背筋にきりっとした顔立ち. 芯の強さが感じられる. 冒頭から, ドイツの街の石畳を踏みつつ堂々と歩いていく彼女の姿が印象的だった. そんな彼女が, 物語の終盤でピアノの演奏をやめて「もう, 無理」とその場を立ち去る場面には, 思わず体が重くなった.

そんなアンナが最後に選んだのは, 結局のところ「嘘」をつき続けること. すべてを明らかにしたアドリアン. それに対しアンナは, アドリアンすら思いもしないところで嘘をつき続けることとなる. 最後の絵の前の場面, あれは一つの嘘だったのではないかと感じた. 本当のことを言葉にしたところで, 喜ぶ者はいない. アンナにとっても, 彼を思い続けてもしかたがないのである.  絵を見ると, また切ない思いに苦しむことがあるかもしれない. しかし, これからもすべてを抱えて生きていくしかない. だから, 嘘ですべてを包みこむことを選んだのだ. 最後のその瞬間, モノクロだった画面は一気にぱあっとカラーになる. 安堵に似た感覚をおぼえた.

オゾン監督作品はこれまで「エンジェル」「ムースの隠遁」「彼は秘密の女ともだち」 の三作しか観ていない. 「スイミング・プール」はどことなく嵌れず, だったが,「危険なプロット」はぜひ観ておきたいところだ. あとはパウラ・ベーアのほかの出演作も観ておきたいと思う. もちろんピエール・ニネの「イヴ・サンローラン」も.

2017/09/17

最近観た映画まとめ

最近, というか, この空白期間に劇場で観た映画の備忘録, というか...

そのつど心動かされたはずなのに観たことすら瞬時に思い出せなくなっており, やはり少しでもいいから記録に残す大切さを痛感.

ということで一言ふたこと感想を加えつつ.


『こころに剣士を』
エストニアの映画, ということでもの珍しさもあり鑑賞.
フェンシングに打ちこむ子供たちと, 彼らにフェンシングを教える, 実は人に言えない過去をもった男性のお話. 実話である.
男性の後姿をこれでもかとなめるように映すカメラワークが印象的だった.
ラストはもちろん泣きました.

『スウィート17モンスター』
もう学園青春映画なんて観ないぞ!と思っていたはずが観てしまった.
自分もフローズンヨーグルトが食べたくなったし, 新しい自転車に乗ってどこかへ出かけたくなった.
主人公を見守る男性陣がみな素敵(いけ好かなかったはずの兄も含めて)

『シング・ストリート 未来へのうた』
行ったことのあるダブリンの街並みが最高でした.
もちろんサントラも!

『美女と野獣』
これ全然観るつもりなかったのだけれど, 友人に誘われて.
ダン・スティーヴンスの歌声が素晴らしすぎてずるい...素晴らしい...ずるい...
いまさら彼のファンになりかけたけれどもいまさらダウントン・アビー追えないな...と渋ってるうちに熱は冷めましたが.

『T2 トレインスポッティング』
興奮しないわけにはいかない一作.

『パッセンジャーズ』
学生最後の日に観たけれどほとんど印象に残っていない.
エンディングが大好きなImagine Dragonsだったことくらいしか覚えていない.


2016/10/12

世界一キライなあなたに

劇場に足を運んで観た映画を久しぶりに記録に残したくなったので。





(Me Before You; UK/US 2016)

原題のMe Before Youの意味が鑑賞後にじわりとわかる、その余韻がいつまでも残る。

基本的に映画の邦題にはあまり文句は言いたくない(いろいろ事情あるのだろうし)けれど、
この邦題はチケット買うときにちょっと恥ずかしかった(笑)

そもそも劇場には邦題もろくに覚えずに行き、さあチケットを買うぞというときに「あれ?邦題なんだっけ?」となってぎこちなく「えっと、世界で...世界一???」と言ってしまって、恥ずかしかった(笑)


環境が変わっても自分らしさを変えることのない人物の出る映画が好きだ。
今作では、そのラブストーリーに、というよりも、ルイーザというひとりの女性に、個人的には大きく共感した。

主人公のルイーザは英国の田舎の決して裕福ではない家庭出身。
家計を助けるために働いてきたカフェをやめさせられ、飛びついたのは事故が原因で車椅子での生活を送る大富豪、ウィルの世話係。
まったくあか抜けない田舎娘のルイーザは大富豪の家で働くことになっても変わることなく、奇抜なファッションで駆け回る。その姿、まぶしい笑顔に魅了された。

ハンサムな大富豪であるウィルと距離が縮まるのは当然のお約束、なのだけれど、その展開も速すぎず、遅すぎず、程よい。

天真爛漫なルイーザを見るために、もちろん同時に、ルイーザを丁寧に素敵に演じきったアメリア・クラークを見るために、再び劇場に足を運びたいと思う。

サントラも個人的にはかなりよかった。ウェールズで撮影された城も迫力があり美しい。



2014/07/03

美しい絵の崩壊

(Adore. 2013. オーストラリア・フランス)

【あらすじ】
親友の息子に愛されて、
と思いきや息子も親友を愛しちゃって...

※結末に関するネタバレはありません。

【感想】
そもそもなぜ観たのかというと、ベン・メンデルソーンとジェームズ・フレッシュヴィルがキャスティングされていたからでした。そうじゃなきゃ劇場までわざわざ観に行かなかっただろうと思います。

この2人は「アニマル・キングダム」で共演済み。この「アニマル・キングダム」に思いのほか夢中になってしまって。WOWOWさんのW座からの招待状は本当にいい作品ばかりで嬉しい。この作品がきっかけでいろいろ調べているうちに本作を知りました。まさか今頃公開されていたとは。ポスターがなかなかきれいで気になっていました。

初っ端から2人が親子役で出ていることを知り吹き出しそうに。「アニマル~」では全く違う役どころだったのに。更にジェームズ・フレッシュヴィルがなかなか気持ち悪く(大変失礼)成長していてちょっと残念でした。観ているうちに慣れたけれど。

内容に関しては、登場人物に全くついていけないながらもそこそこ楽しめました。たまには頭を空っぽにしてひたすら圧倒される映画を観るのも悪くないかなと思ったり。疲れてるせいなのか何なのか。もう一度通して観ようとは思いませんが。

ラストのどんでん返し?は意外と普通だったかな。私は観ながら事実確認がけっこうあやふやだったので、ちゃんと観て理解していれば「え!」と思ったのかもしれないけれど。

【個人的注目ポイント】
もうベン・メンデルソーンのことは上で語りましたが、

1. オーストラリア!!!
不覚にもオーストラリアに行ってみたいと思ってしまった...。暑いの苦手で海水浴なんて幼い頃に行ったきりの私にそう思わせるんだからすごいです(何様

2. ゼイヴィア・サミュエル
ナオミ・ワッツの息子でロビン・ライトを愛しちゃう役どころ。個人的には翳のある人の方が好きだけれどイケメンすぎて輝いてました。まぶしいイケメンは久しぶり。そしてナオミ・ワッツがお母さんとか、絶対ありえないだろうと思ってしまいました。もう一方のロビン・ライト×ジェームズ・フレッシュヴィル親子の方が現実にいそうでした(冷静な観察

調べたらいつのまにかエミリー・ブラウニングと交際してるみたいで。


結論:オーストラリアに行きたくなる映画だった

2014/06/28

グランド・ブダペスト・ホテル

(The Grand Budapest Hotel. 2014. ドイツ・イギリス)

【あらすじ】
殺人容疑をかけられてあたふた


※ネタバレちょっとありです。


【感想】
観る前からわくわくしてたのが最後まで続きました。

途中、「ちょっとやりすぎなんじゃない...?」とあくまでシュールを貫き通す描写に圧倒されつつも、きっと監督は楽しんで撮っているんだな~と視点をちょっと変えてみたら何とも言えない幸せな気持ちになりました(何様

私はウェス監督の作品では「天才マックスの世界」がダントツに好きでなんとなく元気のないときに観るといいということを最近発見してまた近頃集中的に観ているわけなんですが、結論から言うと個人的にこの「グランド・ブダペスト・ホテル」は、「天才マックスの世界」のように何度も観たい作品ではなかったかも。

でも「監督の最高傑作」という点では異論はありません。本当に手が込んでいるし作品のあらゆる部分を切り取って額縁に収めて眺めたいし、なにより本作の語りの構造が好き。まあ、単純に言うと最高傑作が必ずしもマイベストにはならないということでしょう。ちなみに「天才マックスの世界」好きとしてはマックスを演じた彼の登場は嬉しい驚きでした(もちろん知ってはいましたが)。

【個人的注目ポイント】
1. シアーシャちゃん.......!!!
どうせまた豪華キャストなんでしょ、と最初に漫然とキャスト一覧を眺めていたときに目に飛びこんできて驚かされたのがシアーシャ・ローナン。「ビザンチウム」を観た直後だったからか、彼女にウェス・アンダーソンの世界は合うのか?なんて余計な心配を一瞬しちゃった。

シアーシャちゃんの、少し気が強そうで凛とした感じがこの作品のややゆるい雰囲気と妙に合っていて面白かったです。主人公のゼロがあまりに思わせぶりな言い方をするので、(シアーシャちゃん演じる)アガサはもしかして殺されちゃうの!?という心配を観客に植えつけた上での演出には、やられたな~と思いました。

2. ホテルの内装が
観ているときは思わなかったけれど振り返るとどことなく「アイズ・ワイド・シャット」みたいでした。ロビーが、背の高い男性が集まってちょっと薄暗くなっているところとか思いがけず素敵だったな。


あと、本作には3つの時代が登場するのですが、それによって画面のサイズが変わるという工夫がありました。観ているときはそんなサイズの変化にちょっとだけ気づいていたような気もしますが、あとから調べてびっくり。本作のそういった細部にこだわる世界観を堪能するためにも、もう一度観るのも悪くないかな。

2014/06/06

エヴァの告白


(The Immigrant. 2013. アメリカ)

【あらすじ】
ポーランド→アメリカ
妹とは引き離され、
頼りにしていた叔母夫婦には見捨てられ、
怪しい男に助けられ娼婦になってしまったけれど、
希望は捨てない

※結末や内容に関するネタバレあり


【感想】
マリオン・コティヤール目当てに観に行ってしまいました。ホアキン・フェニックスは苦手だしジェレミー・レナーもそんなに好きなわけじゃないのに。

...と思っていたら、鑑賞後にはジェレミー・レナーに魅了されてました。相変わらずホアキン・フェニックスは苦手だけど←

ブルーノ(ホアキン)にベタ惚れされてること知ってて放置してたり、オーランド(ジェレミー)に「一緒に西部へ行こう」と言われてもあっさり「妹のそばにいたいから」と断ったり、姉妹愛もひとつの大きなテーマなのだなと感じました。そして男2人の心を奪った上で破滅させておきながら、自分は最後には妹と再会し再出発。潔い。でも嫌いじゃないです。男性から見ると複雑かもね。

ラストが印象的でした。
鏡に映る、すべてを失ったブルーノの背中/窓から見える、妹と島を出るエヴァ

【個人的注目ポイント】
本作はメインのこの3人が光りすぎててまわりの世界が本当に見えなかった。キャスティングの面でもまさかこんなメンツが揃うとは。初めて知ったときはなぜだか違和感あったけれども、素晴らしかったです。

1. ジェレミー・レナー
私これまで彼をこんなに素敵だと思ったことないです(アッサリ

それでいて、「この人本当に信用していいの?」と観客にも、そしておそらくエヴァ自身にも思わせるような、どことなく信用の置けない怪しい感じが存分に出ていて上手いなあ...と思わされました。

2. ホアキン・フェニックス
「穏やか、それでいて実はキレやすい男」がなんて似合うんだ!
声までネチネチしてました笑

3. マリオン・コティヤール、というかエヴァ
美しすぎますよ...けれどもオーランドの絵に描いたような一目惚れには思わず「こんなことあるの??」とまばたきしちゃいました。

男2人に思われても、ひたむきに妹を思うのは近頃映画でも流行りの同性愛、に似た姉妹愛でしょうか。

2014/04/17

さよなら、アドルフ

雑誌で見かけてからずーっと気になっていた作品。ちょっと金欠なのでさんざん迷ったけれど、今のところDVDリリースの情報はまだないし、9月から日本を離れることもあって、それならいつ観られるかわかったものじゃない...!ということでほぼ勢いで観に行ったのですが...行ってよかったです。以下、思い入れが強すぎて前代未聞の長さになってしまった記事です笑


(Lore. 2012. オーストラリア・ドイツ)

【あらすじ】
お父さんはとんでもない悪党でした。

※結末に関するネタバレあります。

【感想】
一筋縄ではいかない映画でした。あらゆる意味で。

ホロコーストを扱った映画は数あれど、ヒトラーの子供たち、つまりはナチス側だった人間を中心としたものって今まで観たことなかったような。なにしろ知識があまりにもなさすぎるのが恥ずかしいところですが、とにかく、ナチスは「悪」なのだ、ということは日本人の私でも、別に特別に刷りこまれているわけでもなく認識としてありました。

そのような自分でも意識していないような思いで、私は最初あたりはこの映画を観ていたような気がします。私はかなり涙もろくて朝の15分間のドラマを観ても一瞬で泣いちゃうくらいなんですが、本作で主人公の14歳の少女ローレが父親と別れ、母親とも別れてしまう場面を目にしても泣けませんでした。いや、泣けませんでした、と言ってしまうのは薄っぺらいとは思うものの、一方で「そんなの当たり前じゃないか」とどこかで感じていたような気がするのが今振り返ると怖い。

でも本作自体、ローレに無駄な感情移入を促すような要素がそもそもないのです。話は一定のリアルさを保ちながらも淡々と進んでいきます。今触れた感情移入どころか、無駄なものは一切ありません。BGMもほとんど覚えていないくらい流れなかったような気がするし、説明的な台詞も、何もかも。何かを暗示させるような物事を無言で、ただ美しく、ときに不気味で残酷な映像で提示されていく2時間でした。いや、ほとんど美しかったです。

印象的だったのは、人物に物理的距離を迫るようなカメラワーク。ローレの気品漂うきれいな顔立ちがまぶしいと何度も思いました。彼女の肌のきめ細かな部分まで目に入るようで、長い旅路の中でついた顔の傷もリアルでただただ痛々しかった。

そんなローレとその妹や弟たちが旅の途中で出会う青年トーマス。は、実はユダヤ人。ローレは彼をユダヤ人として毛嫌いする一方、抑えきれない思いを大きくしていきます。この2人が視線を合わせる場面が何度かあるのですが、どれも切り取って繰り返し眺めたくなるほどきれいだった!

ところがこのトーマス、実はユダヤ人ではなかった???ということが終盤になって、彼がローレたちのもとを去ってからわかるんですね...これが憎いというか何と言うか。「アメリカ人はユダヤ人が好きだから」という理由で、ユダヤ人だった他人になりすましていただけなのでした。ナチスの娘がユダヤ人の青年と出会って恋に落ちて...という、まあ実際にあったかもしれないということは別にしてある種のファンタジーのような、そういうものを作る気はさらさらないのです。

かわりにローレにつきつけられた真実は、これはあくまで私の見解ですが、単純に言えば人間はみんな一緒、という普遍的なものだったのでは。ユダヤ人(だと思っていた)青年トーマスにどうしようもなく惹かれながらも、彼がユダヤ人(だと思っていた)ということで最終的には心を許せなかった。でも実際はその彼もユダヤ人ではなかったかもしれなくて。トーマスへの嫌悪感も、彼が犯した殺人も、すべては彼が「ユダヤ人だから」ということでなんとなく納得してところがあったのでは、とローレに対して思います。

最後に、ローレがトーマスがもっていた(本物の)トーマスの身分証明書の中を開き、(本物の)トーマスが幸せそうにほほ笑む写真を取りだして見ていたのが印象的。以前の自分と何ら変わりない、幸せそうな光景。自分の父親が、大好きだった父親が、彼の幸せを奪ってしまったのだ。この事実に押しつぶされそうになる。

こうして、ローレの世界は900キロに及ぶ旅を経て崩壊し、そして再生します。


【個人的注目ポイント】
というか、何と言うか...トーマスはなぜ去ってしまったのでしょう。

ファンタジーを否定しておいてなんですが、トーマスも嘘をついているのが辛くなってしまったのではないかと。確かに赤ん坊と一緒にいれば得することは少なからずあるとは言え、ローレたちといるときのトーマスは確かに幸せそうに見えたのだけどなあ。そのあたりが曖昧というか、心をつかまれてしまったというか、すごく気になりました。ローレとトーマスが顔を合わせず寝そべりながら指を絡め合わせるシーン、その様子をローレの側から撮るカメラワークが素晴らしく美しかっただけに!

また、やっぱりトーマスはユダヤ人だったのではないかなあという思いも捨てきれず。腕に番号のようなものがありましたしね。彼なりに葛藤があったのかも。ローレがなかなか自分に心を開いてくれないのも、自分がユダヤ人だからということをトーマス自身わかっていたはずだし。そんなローレが誇りを捨てて最後には自分に縋ってきた...喜べばいいのか、何なのか。いいえ、トーマスも辛かったんでしょうね。ローレがそこまで誇りを犠牲にして思いをぶつけてきたのには。耐えきれなくなって、別人になりすましているのだという負い目もあって、八方塞がりになった。だからこそ彼は去ったのだ、とも解釈できるわけです。というか、考えれば考えるほどそんな気がしてきた...深すぎますよ、「さよなら、アドルフ」...

アカデミー賞の外国語映画賞では最終選考には残らなかったみたいですが、既に私のオールタイムベスト映画に入りそうです(わりとどうでもいいですか

2014/04/03

それでも夜は明ける

大阪ステーションシティシネマで鑑賞。
大都会の映画館なんて初めてのことです。大都会じゃなくても、縁のない土地の映画館は。とてもきれいな映画館でした。観てからすぐに大阪駅から電車に乗って帰りました。


 
(12 Years a Slave. 2013. イギリス・アメリカ)


結末に関するネタバレはありません。


あらすじ
「自由黒人」だったのに奴隷になってしまった...


感想
とにかく緊張しっぱなしでした。スクリーンから熱気とも冷気ともいえない、でも圧倒的な空気が放出されていて、それに逆らうように必死に座席にしがみついて何とか座っていたような気さえします。

というか途中で「いつ終わるの?」とスクリーンの明かりを頼りに腕時計を見ましたもん....誤解のないように言っておきますが退屈だったとかそういうわけではなくして、
「この苦しみはいつ終わるの?」という思いだったのでした。

その点、映画館で観てよかったのかもしれません。どうしても退屈な映画なら時計を確認するまでもなく途中でやめてしまえるということは言うまでもなく、本作のように苦しくて観ていられない映画を家でこたつにでも入りながら観るようなときは一旦停止したりできるので。映画館では、何度も心の中で「このシーンはもういやだ....でも観なくちゃ!」と人知れず闘っていました。

鑑賞後、気になったのは2つ。

まず、差別って、奴隷って何だ?ということでした。

本作には、ソロモン(C. イジョフォー)のような「自由黒人」をはじめ、白人と結婚した「元奴隷」の黒人女性、母が黒人で父が白人という女の子、奴隷なのに主人から可愛がられる幼い女の子など、「差別の対象」であるはずなのに(奴隷になっていないという意味で)差別の対象にならないか、されても程度の軽い黒人が出てきます。彼らと、奴隷として働く黒人の間に一体どんな違いがあるんでしょう。ソロモンだって、証明書という紙切れがないというだけで奴隷と見なされてしまいます。

結局は、差別したいときはするし、しないときはしない、というたったそれだけなのかもしれません。そういう感情はほとんどすべて「白人」という一部の集団がもち、それによって左右される世の中だったんですね。そして今も。集団は違えど。あまり表に出てこないところで。

また、ソロモン自身の、奴隷になる前後の奴隷制度に対する考え方はどうだったのだろうかということ。

拉致される以前は、ソロモンは奴隷制度に対して特に意見は持っていないようで、ただ家族と平和に暮らすことのできる現在に満足しているだけでした。ソロモンが家族と共に出かけた店に、彼らにつられて奴隷黒人が入ってきます。彼はすぐに主人に呼び止められ連れていかれるのですが、そんな彼を見たソロモンが特に何らかの感情を抱いた様子はあまり見受けられません。奴隷というのは自分には程遠い存在であり、まさか自分が奴隷になるだろうということは夢にも思っていないのでした。

捕まったとき、「私は自由黒人だ!」と主張したり(当然の行動には違いない。けれど、現行の奴隷制度にしがみついているようでもある)、まだ日の浅い時期はただ感情をなくして賢く振る舞おうと考えています。同じ境遇にあり、子供と引き離され泣き暮らす黒人女性への決して温かくはない態度も印象的です。この闇はきっといつか終わる。その思いをずっと捨ててはいないのです。

C. イジョフォーの、「奴隷役にしては」(という言い方も語弊がありますが)少し上品すぎるともとれる演技は、ソロモンの自由黒人(しかもバイオリンという一芸に長けている)という本当の身分を反映しているだけにとどまらず、こういったソロモン自身の奴隷制度への見方を暗示しているのではないかと思いました。


個人的注目ポイント
1. マイケル・ファスベンダー
奴隷制度に対し疑問を抱くことのない、「残忍」なエップスを演じています。エップスに限ることなく、当時はこのような人間なんていくらでもいたはず。今だからこそ真っ向から否定し非難することができる

彼のファンとしては複雑というか、そもそも本作は彼のことがあって観るの結構躊躇してました。でも観たあとは、どうやって役作りしたんだろうとか演じる上でどんな心境だったのだろうとか、そういうことが頭をかけめぐりました。


2. ブラピはブラピだった
彼には独特のオーラがあることを差し引いても、本作のブラピはちょっと浮いてたよ...。というより、おいしいところを持っていきすぎだった。別にいいんですけどね。

持っている思想は今私たちが生きている世界(といってもいまだ限られた世界なのだろうけど)のそれと似通っていたからまあ安心して観られたけれども、当時としては早すぎるというか。エップスの心に全く響いておらず、むしろ彼からの嘲笑を買うところにブラピ演じるバスの当時の社会とのずれが反映されていたんでしょうね。

ところでファスベンダーとブラピは共演作がなかなか多いですよね。本作にも同じ画面におさまるシーンはありましたが、およそ15歳の年の差をまったく感じない...ファスベンダーが中3のときブラピは30歳のオトナだった、っていうことでしょ!?←日本的に言ってみた


3. 邦題...
この邦題は何かと問題ありな気もしますが、私は正直あまり気にならなかったというか。

少しシュールともとれ(日常的な生活の様子をバックにした長時間ぶら下げシーンとか)、無駄な説明を一切省きすべてを淡々と描くこの映画の克明な描写を反映したような邦題、だと思いました。どんなに苦しくて理不尽で残酷なことが起き、人が死に鞭で何度も打たれることがあっても、太陽は沈みまた昇る。当たり前だけれども時として不思議ではっとさせられるような現実ですよね。

まあ、そこまで考えて出された邦題なのかというとそれも疑問ですが。それに、やはり誤解を生みやすい邦題はちょっとな...と感じます。実際、文字通りではない意味で「夜」は明けてませんから。

2014/03/19

ロボコップ


  (Robocop. 2014. アメリカ)

あらすじ
:瀕死状態からロボコップになったと思ったら改良を重ねられ最後には...


鑑賞の決め手
:アビー・コーニッシュ!!!彼女がマーフィーの妻役で出演すると知らなかったら観ていたかどうかちょっと怪しいです。いくらキナマン主演でも!
あとはもちろんゲイリー・オールドマン


感想
期待していたよりもおもしろかった。ラストになぜか泣いた。

ハリウッド映画にしてはそれらしくない、ちょっぴり地味でアイロニーのきいた映画だったと思います。そこがなんともいえず好きなんです。でもラストの切り方は微妙...だととられてもしかたないかも。

ただ逆に言えば、ロボコップ!ロボット!アクション!と期待していたらちょっとがっかりなのかなと。好みは完全に分かれるのではないでしょうか。アクション大作というものがそもそも苦手な私は、断然好きです。家族愛も、大好きです。


個人的注目ポイント
1. アビー・コーニッシュ
美しすぎました。彼女の横顔大好きなんです。彼女の鼻になりたい(謎)

と、容姿のことは置いておいて、本作ではかなり光っていたと思いますよ彼女。
ロボットにされてしまった夫を見つめるまなざしに何度も熱くなりました。いくら自分が同意したこととはいえ...と葛藤する妻の姿。特に、マーフィーが最終的には感情も失ったことがわかる、初めてのお披露目のシーンでは優しいまなざしから一瞬にして戸惑いをおぼえ始める表情の変化がよかったです。

2. ゲイリー・オールドマン
本作のMVPですよ、いろんな意味で。
マイケル・キートン演じるCEOからどんどん無理難題をつきつけられ、慌てふためきながらも乗り越えていくさまには哀愁さえ感じました。いや、冗談じゃなく。
彼が出ているだけで画面が締まるとともに、なぜか安心感も生まれますね。ひと昔前に悪役で出まくっていた頃からは想像もできなかったことでしょう。

3. ピーナツ???
観た人ならわかる、マーフィーの手術シーン。彼が「ピーナツの味がする」とか何とか言っていたのですが、ああいうエピソード他の映画にもなかったっけ?題材的には頭パックリシーンのあるハンニバルあたりが怪しいのではと目をつけているのですが、場面が場面なだけにあまり深入りしたくない疑問ではあります。

4. 音楽
実はスターチャンネルの粋な計らい(?)で今月はじめに放送された旧作ロボコップをやっと観たわけですが...その頃は特に気にもとめていなかったはずなのに、本作で流れていたあのテーマソングを聴いて「あ、あの曲!」と思い嬉しくなりました。何度聴いてもかっこいいです。

5. スーツの色
忘れちゃいけない、スーツの色。ラストで元に戻ったところに、なぜだかグッと来るものがありました。



機会があればぜひもう一度観に行きたいと考えています。あの心地よくさえ聞こえる発砲音を、もう一度劇場で。


おまけ
本作で主演のジョエル・キナマンが気になった方!
彼の貴重な(?)ラブコメ、 「29歳からの恋とセックス」 もぜひ!最近のわかりやすいラブコメに飽き飽きした人には特におすすめです。

2014/02/27

鑑定士と顔のない依頼人



めずらしく邦題の方が好みだったのでタイトルも邦題で!

原題:The Best Offer

無料優待券をもらったので、車で片道1時間かけて行ったことのなかった劇場へと足を運んできました。

この映画のことは先日まで全く知らなかったのですが、Twitterを眺めていてよく目にとまった不思議なタイトル。感想も何やら不穏な感じで…とりあえず事前にキャストだけチェックして劇場へ。ストーリーも特に知りませんでした。

始まってみると、もうスクリーンに釘付けになってしまいました。

鑑賞の最中に、「ああ、私いま映画みててすごく幸せ」とほんのりあたたかい気持ちになった映画は初めてでした。それも何度も、そんな感情につつみこまれました。

ストーリーについては触れませんが…ちょっと我慢できなくなったので、思うところを勢いにまかせて書きたいと思います。つまり何が言いたいのかというと、ネタバレです。

(ネタバレ含みます)
(観た人にしか正直何を言ってるのかさえわからないネタバレかと思います)



この映画には完全にだまされたというか…だまされることを楽しむことのできるかなり貴重な映画なのかもしれません。この映画のことは大好きになったけれど、Blu-rayを購入しようとかはあまり考えなくなりました。初めて観たときの衝撃やそれを越えての喜びに似た感情を経験することはもう二度とできないのです。それがなんだかちょっぴり寂しいような気もします。

映画で印象的だったのは、主人公ヴァジルが頻繁に口にしていたauthenticという言葉。簡単に言うと「本物の」という意味です。何度も何度も口にしていたので、この映画のキーワードの1つなのだと思い、観たあとはそう確信しました。

クレアとの、結果的には「偽物」にすぎなかった愛ですが、それは「本物」を愛し価値を認めていたヴァジルの心に、何物にも代えがたい永遠を残していきました。終盤からうかがえる、クレアの母親ではなく実は彼女自身を描いていたという点で「偽物」である例の絵画を、ヴァジルがずっと所有している様子もそれを示唆しているようです。

また、本作はハッピーエンドでもバッドエンドでもない、でもどちらかと言えばハッピーエンドなのかな?と感じました。鑑賞する私たち他人から見れば確かにかわいそうな話ではありますが、真相をつかんだあとのヴァジルの表情は空虚なようでいてどこか恍惚としているようにも。あの人はあれはあれで幸せなのかもしれないな、とすぐに忘れ去られてしまう噂話のネタにでもなりそうなお話です。

本物の美術品と共に、最高の映画体験をすることができました。絵画好きな私には特にたまらない映画でしたよ。

2014/02/15

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ


(Only Lovers Left Alive. 2013. アメリカ・イギリス・ドイツ)

緊張しながらの、初めて行く劇場での鑑賞でした。

☆鑑賞の決め手:ミア・ワシコウスカ!!(単純すぎw

ジム・ジャームッシュという監督のことさえよく知らずに、ただミアちゃんのためだけに観にいきました。

ヴァンパイアとして生きるアダムとイヴの物語。…と、今ヴァンパイアとして生きる、と言いましたが、特別な使命感とか宿命とかそういう熱っぽいのはなくて、闇に生きる、というかただ闇で過ごすヴァンパイアの日常を気だるげに描いてるような映画だと感じました。グラスで血を飲んだり、血でできたアイスバーをなめたりと血との関わり方はかなりスタイリッシュ、を通り越してシュール?

音楽が印象的です。特に、きっとほとんど全編に渡って鳴り響いてたのではというアダム作曲のもの。観終えた今となっては曲調は記憶の彼方ですが、もう一度聴いたら瞬時にすべて思い出せそう。

待ちに待ったミアちゃんの登場は突然でした。ミアちゃんはティルダ・スウィントン演じるイヴのトラブルメーカーの妹エヴァという設定で、彼女が自分たちと会いたがっていることを夢で知ったアダムもイヴもイヤそうな顔。それに反して、私はエヴァの登場を今か今かと待ち望んでいたわけです笑

ミアちゃん、本作では今までのイメージを思いきり覆すような演技を見せてくれました。笑顔で、飛び跳ねるようで、おそろしく甘えん坊なのでした…顔立ちもいつもと違って見えました。夢に出てきたら怖いかも!

本作、なんといってもトム・ヒドルストンがよかったです!
今まで私はあまり入れこんでいない俳優だったのですが、これから彼の作品も観ていきたいです。低くて冷たげな声が印象的でした。

ティルダ様は、トムヒとは20歳離れているようにはとても見えませんでした。親子といってもいいのに、まるで恋人同士!美しい2人の、ラストのアレには心から縮み上がりました。

2014/01/18

ゼロ・グラビティ


「ゼロ・グラビティ」 (Gravity. 2013. アメリカ/イギリス)

卒業論文も無事に提出したので、先月から待ち望んでいた「ゼロ・グラビティ」をようやく観てきました。

★鑑賞の決め手:評判の良さ・圧倒的な映像美

珍しく、というかすごく久しぶりに吹替えで観たのですが、違和感はなかったです。むしろ吹替えでよかったのかもなと。初っ端から圧倒されまくりで、処理しきれませんでした(笑)

アカデミー賞でも作品賞ほか多くの部門でノミネートされましたね。
宇宙を再現したという点で「完全なる作りもの」である本作の受賞は難しい、と映画好きな大学教授が言っていたのですがどうでしょう。

<!ここからネタバレ注意!>

何と言っても、サンドラ・ブロック演じるライアンが地球への上陸に成功したあとの描写が秀逸でした。

ラストは本当に、それまでこの映画が描いてきた世界観を身をもって体験してきたからこそ見えてくるものを一気に、これでもかと見せつけられたような印象。地球に降り立ってからの描写はほんの数分...でもこれがなければ「ゼロ・グラビティ」はただのパニック映画だったのではないかと。

それより前の宇宙空間の描写は、本当に視覚的に訴えかけてくるようなものがありました。3Dであったから余計に、人物が宇宙空間でもがいているのにつられて自然と体が強張ったり、ときには宙に浮いたようになったり。息苦しくなったりもしました。

そしてラストでは、感覚的に、「重力って、地球って、素敵だ」と迫るようなものがありました。地面に手をつき、笑顔をこぼすライアンを見て、同じように文字通り地に足をつけているその自分の足が、じわじわと震えるようでした。

そこからの、

GRAVITY

とタイトルがどんと出てくる流れに胸がいっぱいに。映画、映像の力とはこういうことを言うのではないかと、その内容はうまく言葉にできないながらもそう確信しました。

これは機会があればまた観たいですね。
まだ観ていない人がいたら、ぜひ劇場で!と言いたいです。

ひとつ難点を挙げるとすれば、ライアンの亡くなった娘のエピソードはちょっとなあ...と。ライアンにとって宇宙から地球へ生きて帰るための動機としては、それくらいしかなかったのかなと思わされました。

2013/12/08

タイピスト!

 
「タイピスト!」
やっとやっと、やーっと観てきました!
夏休みからずっと楽しみにしてたのでちょっと感慨深かった笑
 
★鑑賞の決め手:題材。デボラ・フランソワ
 
フランス映画は何をしてもおしゃれで可愛くて素敵
オープニングからわくわくしながら観た
 
特に早打ち大会のシーンには、腰が浮いてしまうほど見入ってしまった
私もタイプライターを叩いてみたい!
今ではパソコンのキーボードを叩くことしかできないけれど、
それでもキーボードの早打ちをしてみたいなあなんて思ったり
 
デボラ・フランソワちゃんは文句なしの可愛さ
体が、太ってはいないけれど細すぎないところがなんとなくたくましくもあって、
ひょろっとした印象のロマン・デュリスとお似合いでした
2人の年齢差はあまり感じなかったけれど13歳離れてるんだね!
 
デボラちゃんの出演作も観ていきたいです
 
ルイの幼なじみ、マリーの夫ボブを演じたショーン・ベンソンがなぜか印象に残った
登場シーンからなんとなくフランス人ぽくないなあと思ってたら、
ちょくちょく英語も喋るし、そういうことだったんですね
ベレニス・ベジョ、「アーティスト」以来だったけれども美しかったです
 
ローズ(デボラ)をルイ(ロマン)が婚約者として家族に紹介した(させられたw)夜、
2人がダンスをするシーンが印象的でした
フランス熱が再燃しそうだった!
ちょっとだけフランス語をかじったこともあり
またフランス語を勉強してみたくなりました
挫折するかな...w
 
 もちろん鑑賞後は、可愛いと話題のパンフレットも購入
他の映画のパンフレットが展示されている中で本作のだけなく、
ダメ元で店員さんに訊いてみたらありますよ、とのこと
嬉しかったなあ....
 
***
 
卒論抱えてるこの時期なのに
 「フィルス」 「悪の法則」「タイピスト!」と短期間で3本も劇場へ足を運んでしまった
「フィルス」のリズム感を楽しみ、
「悪の法則」でちょっと落ちこんで、
「タイピスト!」ではなんだかやる気をもらったような
たしかにタイプライターは手元にないけれど
私もキーボードを叩いて卒論がんばろうっと!

2013/11/27

悪の法則

 
 
「悪の法則」
★鑑賞の決め手:マイケル・ファスベンダー!!!!
これが決め手の9割5分以上を占めるから自分っていい加減だなと思う(笑)
 
ほとんどどういう話なのかも知らずに観ました
ただスクリーンでファスベンダーが見たかったんです!!!
それだけなの!!!!(なぜか必死)
 
冒頭からエロが入りすぎてこれは1人で観に行って大正解だと思いました
もともと一緒に観に行ってくれる人なんていなかったけど!
冒頭からひとつ思ったのは、
 
ペネロペ・クルスがファスベンダーの恋人ぉぉ?
 
ごめんなさい
このキャスティング、初めて知ったときから違和感ありまくりでしたwww
 
徐々に慣れてきたけれどもね...
 
そもそも、ファスベンダーにカラッカラした太陽や中南米の雰囲気は似合わない...
彼にはやはり英国の湿っぽい荒野が合っている!!!
 
なんて思っているうちに、ちょっと気づいてきた
 
この映画、実は舞台はどことなくむさ苦しくて
怪しくてコワい人たちのオンパレードで
物騒で
ついていけない感じなのに、
どことなくしっとりとした文学的な、なんというか...
 
結論は出ないままに終わってしまいました
ぼんやりしていたのはその結論ばかりか、
そもそも「この映画、一体何が起こってるの???」
 
じょ、状況把握ができない?????
私ってこんなに頭悪かった????
 
何が起こっているのか、
意味ありげな映像が流れては消えていくものの
まったくもって明かされない
いつのまにか主人公もまわりの人々もこの状況はかなりアブないと気づいていく
もうこの映画種明かしする気ないでしょww
と思ってからは実はちょっと眠くなってきたものの、
なんとか我慢してたら最後は
「え?ここで?」というところでエンドロールでした
 
気がついたらもう遅い
ということなんでしょうね
自分が状況を一番わかっていなかったのだと
 
大好きなファスベンダーの、
舞台が舞台なだけにより際立っていた水分の足りてない肌(褒めてます)や
ピシッと(無駄に)決まったスーツ姿、
迫真の泣き and more.
私的見どころは数多くあったけれども、
何もかもこの救いようのないストーリーにのみこまれてしまった印象
 
面白かったかと訊かれれば面白かったと思うものの、
胸をはって「おもしろかった!」とは言えないような
 
卒論が行き詰まったときに観に行ったので
よけいに心が重くなりました
まあ、すぐ晴れたんだけど(笑)
 
キャメロン・ディアスに触れていないところが自分らしいというかなんというか、
でもキャミーの悪女ぶり、素晴らしい美脚
圧倒されました
 
またいつか観よう


2013/11/22

フィルス



 
久しぶりに劇場で観てきました
ちなみに地元では1館のみでの上映
 
★鑑賞の決め手:エディンバラ(舞台)、主演がマカヴォイ、ジェイミー・ベル
 
冒頭からいきなりエディンバラの歩いたことのある通りが出てきて
興奮しないわけにはいかなかった
 
マカヴォイ演じるブルースのあまりのクズっぷり、
そこまでするのかwwwと思うほどのやらかしように
正直途中は食傷気味でした
 
が!
ブルースがどうしてそこまでクズになってしまったのか
彼の苦しみ、痛みの原因が徐々にわかってくるとともに、
すべてを巻きこむような終盤にかけての流れが最高でした
特にラスト、
観客に淡い期待を抱かせながらもそれを突き放すように、
でもすぐには忘れられないような強烈な表情をうつしての幕の閉じ方はたまりません
 
ブルースの幻想の描き方の安っぽさや
全体に漂う容赦のなさや不潔感(といったらいいのか)は
思わず英国らしいなと
 
音楽もよかったです
サントラ欲しい...
 
もう1回フルで観てもいいですね


2013/07/26

6月の鑑賞リスト

映画が好きすぎて鑑賞リストを作ることにした。むしろどうして今まで作らなかったんだろ!

先月のことだけどもう劇場で観たこの2作のことしか覚えてないからまずはそれで。


「華麗なるギャツビー」
:原作も他の映画化作品も観たことなかったけれど楽しく鑑賞できた。ジョエル・エドガートンの存在感が強烈。劇場で観たい一作。

「オブリビオン」
:何の前情報もなく、劇場に行ったら他にめぼしい作品もなくて消去法で鑑賞。映像がとにかくきれい。トム・クルーズほんとに老けないね。どこかで観たことあるような題材を混ぜこぜにした感じだけれど、美しく完成されてるところは彼が主演だということの成せる業?と思ったり。

オブリビオンは教育実習中に、ギャツビーは実習後に友達との打ち上げのつもりで観た。その点で思い出深い作品かもね。