Crimson Peak. 2015
20世紀初頭のアメリカ・バッファローで父親と暮らす女性イーディス. 彼女には幼い頃, 死んだはずの母親の幽霊に遭遇し, 「クリムゾン・ピークに気をつけろ」と警告されるという経験があった. ある日, 実業家である父親に投資を持ちかけるためイギリスからやってきたトーマス・シャープという男と惹かれあうようになったイーディスは, 父親の謎の死をきっかけに彼と結婚し, イギリスへ渡る. トーマスと彼の姉, ルシールと大きな屋敷で暮らし始めたイーディスだが, そこでさまざまな怪奇現象を経験することになる. 一方, イーディスの父親の死の原因について独自に調査をしていたイーディスの幼馴染である医師アランは, トーマスとルシール姉弟の素性を突き止め, イーディスを救うためイギリスへ渡るが...
監督は「パンズ・ラビリンス」「パシフィック・リム」などのギレルモ・デル・トロ. 彼の作品にはなんとなく苦手意識があったが,出演の顔ぶれに惹かれて鑑賞した. 特にミア・ワシコウスカとトム・ヒドルストンはともに大好きな俳優. 一方アラン役のチャーリー・ハナムが出演していることは, 彼の登場まで全く知らなかったので, 嬉しい驚きだった.
ホラー映画かと思いきや, ゴシック・ロマンという感じ?幽霊は, ビジュアルと効果音はたしかに怖かったが, じきに慣れてむしろジェシカ・チャスティン演じるルシールという人間の怖さが際立っていた.
あと注目すべきは3人が暮らす屋敷のディテール. たしかに素敵だけれども実際に住みたいとは思わない, 観賞用という感じ. 屋敷は実際にスタジオに作ったというのも驚き.
最後のイーディスとルシールの対決は少し滑稽だった. 一番強そうなアランが一番先に刺されてほぼ退場してしまっていたし(笑). 全体的に凝ったビジュアル, それにしては案外あっさりとした展開で, 物足りなさも感じたが, 久しぶりに映画を一本満足に観られたのでよかった.