今年は例年にくらべ、目に見えて劇場に行かない年になってしまった。
長い夏休みのあいだ、一度も劇場へ行かなかった。
環境ががらりと変わったのもあり、じつを言うとそれほど興味のある映画がなかったのもあり...劇場映画、不作な年でした(もちろん個人的に)
ということで(?)少ない公開映画鑑賞リストのなかでは、マイベストは『君の名前で僕を呼んで』
『パンズ・ラビリンス』
ついに観た.....
むかしから名前は知っていたけれど、うっかりみてしまうとトラウマになる?という話をどこかで聞いたこともあって、なかなか手にとる機会もなく。
メルセデス姉弟のやさしさ、強さだけが唯一の救いという気がした。
『オリエント急行殺人事件』
WOWOWにて鑑賞。なぜ観ようと思ったのかは忘れてしまったが、
ケネス・ブラナーのスタイリッシュなポアロの身のこなしに、最初からぐっと引きこまれた。
アガサ・クリスティの作品は、ほとんど馴染みがない。
旧作も未見だったので完全にまっさらな状態でサスペンスを楽しめた。
有名な作品なのでネタバレもなにもないとは思うが、水谷豊の『相棒』を見慣れている身としては、最後の選択に新鮮な驚きがあった。
『キング・アーサー』(2017)
チャーリー・ハナムに一時期はまっていたこともあり、彼の主演作ということで録画して鑑賞したが、「動いている俳優をみるのが楽しい作品、ということで...」と妙に冷静にみてしまった。
たまに流れる独特の挿入曲が印象的。
アメリカ映画なのかイギリス映画なのか、どちらの雰囲気もありつつもお互いにうまく溶け合っていないような、座りの悪さをおぼえた。話されているのはいわゆるイギリス寄りの言語だけれども、展開がどことなくアメリカ的。
『ボヘミアン・ラプソディ』
じつは音楽ものはそれほど得意ではない(最たるものがミュージカル)ためか、
話題なのは知っていたけれど特に観るつもりはなかった一作。
ところが私が映画好きなのをよく知る友人たちからの「観た?」
というメッセージの嵐に、たまたま別の友人を誘って劇場へ。
そのためにハードルを上げすぎたのか、観終えたときの感動はそれほど...
だったのに、さすがはQueenということなのか何なのか...
帰ってからいろいろ調べたり彼らの曲を手当たり次第に聴いているうちに、いつのまにか忘れがたい作品に。
最近はジムで有酸素運動しながら聴くのがマイブームになっている。
とくに、"Radio Gaga"は曲のスピードにあわせて歩くと気分がすうっとする。
"Somebody to Love"の歌詞には、思わず目の奥がぶわっと熱くなる。
...とQueenの曲の話ばかりになってしまったが、
フレディ・マーキュリーを、信じられないくらい圧倒的に演じたRami Malekのことはずっと忘れられないと思う。
全然知らない俳優だったけれど、Twilightシリーズやナイト・ミュージアムにも出ていたらしい。どちらも未見だが。
メンバーのなかでは一番地味な扱いだったし、作中ではいつ仲間入りしたのか完全に見逃してしまった(?)けれども、John Deaconを演じるJoe Mazzelloが気に入った。地味でおとなしいけれどもちょっと光るような、そんなキャラクターが好きだな。
思いもかけず『ボヘミアン・ラプソディ』で締めくくった1年でした。
目下のところ、年末に知って俄然楽しみになった『レベッカ』のリメイクの話を楽しみに生きようと思う。
2018/12/30
2018/11/08
この世界の片隅に
1934年、広島・江波。浦野家の三人兄妹の長女として生まれ育ったすずは、のんびりした性格で、絵を描くことや空想が大好き。家族に囲まれ穏やかな日々を送っていたすずだが、18歳になったある日、呉に住む周作という青年に望まれ、嫁入りすることになる。周作は呉にある軍法会議で働き、父の円太郎も町の多くの人たちと同じように海軍で働いて生活していた。慣れない呉での生活、性格のためかなにかと辛くあたる義姉の径子の存在もあるものの、すずは持ち前の明るい性格で新しい生活になじんでいく。ところが、戦争の影は徐々に色濃くなり、やがて1945年の夏が迫ってくる。
先日、一緒に旅行した広島在住の友人にすすめられ、レンタルしてきた。
アニメ映画の感想を書くのは初めて。
牧歌的で淡いトーンの描写に、冒頭から全身の力が抜けるような気持ちになった。幼少期からのすずとまわりの生活が、淡々としているようで丁寧に時間を追って描かれる。周作との最初の出会いという、夢とも現実ともつかないエピソードも、同じような調子で溶けこむように示されていた(最初にみたときは周作との出会いに気がつかず、このシーンはもう一度戻って見直したのだが)。
戦時下の広島を描くもの、ということで、むかし家にあった『はだしのゲン』のことをひさしぶりに思い出した。原爆被害の描写ははるかに多くそしてむごい『はだしのゲン』。それに比べ、前述のように牧歌的で淡いトーンが全体を包みこんではいるものの、本作はそのなかで不意であったり部分的であったりして、衝撃的な場面が登場する。
現代から振り返ると、たしかに「戦争」はあった。そう私たちは理解している。けれども、当時の人々にとってそれは、「戦争」と名前を呼んではいても、よくわからない「何か」だ―日常を少しずつ少しずつ変えていき、気づけばなにが「日常」であったのか、始まりのわからない、それでいて突然終わりがやってきてつき放される、そういったものだったのかもしれない。
先日、一緒に旅行した広島在住の友人にすすめられ、レンタルしてきた。
アニメ映画の感想を書くのは初めて。
牧歌的で淡いトーンの描写に、冒頭から全身の力が抜けるような気持ちになった。幼少期からのすずとまわりの生活が、淡々としているようで丁寧に時間を追って描かれる。周作との最初の出会いという、夢とも現実ともつかないエピソードも、同じような調子で溶けこむように示されていた(最初にみたときは周作との出会いに気がつかず、このシーンはもう一度戻って見直したのだが)。
戦時下の広島を描くもの、ということで、むかし家にあった『はだしのゲン』のことをひさしぶりに思い出した。原爆被害の描写ははるかに多くそしてむごい『はだしのゲン』。それに比べ、前述のように牧歌的で淡いトーンが全体を包みこんではいるものの、本作はそのなかで不意であったり部分的であったりして、衝撃的な場面が登場する。
現代から振り返ると、たしかに「戦争」はあった。そう私たちは理解している。けれども、当時の人々にとってそれは、「戦争」と名前を呼んではいても、よくわからない「何か」だ―日常を少しずつ少しずつ変えていき、気づけばなにが「日常」であったのか、始まりのわからない、それでいて突然終わりがやってきてつき放される、そういったものだったのかもしれない。
2018/07/23
伴奏者
(L'accompagnatrice / フランス / 1993)
1942年、ドイツ占領下のパリ。貧しい母子家庭で育ったソフィー(ロマーヌ・ボーランジェ)は、世界的オペラ歌手イレーヌ(エレナ・ソフォーソワ)の伴奏者となる。やがてイレーヌとその夫シャルル(リシャール・ボーランジェ)と同居、そしてともにロンドンまで同行するソフィーは、イレーヌの伴奏だけでなく身の回りの世話もする。コンサートで成功を収めても賞賛を浴びるのはイレーヌばかり、実はイレーヌの愛人ジャックにひそかに恋心を抱いてもいたソフィーは、イレーヌを愛しながらも、同時に彼女に嫉妬を覚えるようになる。イレーヌはロンドンでジャックと密会を重ねるが、やがて悲劇が起こる。
これもレンタル店で何げなく手にとった。以下、ネタバレあります。
戦時下で不穏な空気が漂う街並み、イレーヌの美しい歌声とソフィーの繊細なピアノの音色、大勢の人々を乗せた列車の煙や行きかう人々でいっぱいの駅、人物たちの絡み合う視線...静かで淡々とした描写ながらも、いろいろな感覚に訴えてくるような映画で、最後まで目が離せなかった。
まずはなんだかあどけない、見ていてなぜだか不安に似た気持ちを抱かせるような、ソフィーの表情が良い。無害で素朴なようでいて、実は心のなかは人知れず野望や嫉妬、いきすぎた好奇心でいっぱいである。それを見破りつつ(?)も、ソフィーを受け入れ、彼女を虜にするだけの魅力があると思わせるイレーヌの美しさは、全体的に暗い本作の雰囲気のなかで眩しいほど。
イレーヌとジャックの決定的な瞬間を目のあたりにしたときの、シャルル、というか演じるリシャール・ボーランジェの背中の演技がお見事。表情は一度も映し出されないのに、背中であそこまで語れるのか...!台詞もないが、本作で一番印象に残る場面だった。
ちなみにロマーヌ・ボーランジェとリシャール・ボーランジェ、親子である。それを知ってからは、親子ではない役柄なのに親子に見えてしかたがなかった(顔、思ったよりもだいぶそっくりである)。
また、本作では愛人同士だったイレーヌとジャック、演じた俳優はプライベートでも交際していたとか。
スペインからロンドンへの途上で出会いソフィーに恋する青年ブノワを演じた俳優、どこかで見たことある?と思ったら、マリオン・コティヤールと交際の噂のあった人であった...すでに亡くなっているようだが、話し方が印象的で、どことなくキリアン・マーフィーに似ていて素敵だった。
おやすみなさいを言いたくて
(A Thousand Times Good Night / ノルウェー・アイルランド・スウェーデン/ 2013)
レンタル店へふらっと行き、おもしろそうと思った映画を持ち帰る、
という以前のような生活が戻ってきて、なんだかうれしい。
報道写真家のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は、戦争の真実を伝えるために世界各地の紛争地域に果敢に飛びこむ、多忙な毎日を送っていた。アイルランドでは愛する夫マーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)や二人の娘たちが待っている。ところがある日、取材中に爆発に巻きこまれ、危うく命を落としかける。そんなレベッカに、もう二度と紛争地域へは行かないでほしいと言う家族たち。レベッカはそれまで自分がどれほど家族に心配をかけ、彼らに支えられてきたのかを実感、仕事から身を引くことを考えるが...
使命感に燃えるレベッカと、彼女を心配し、彼女のそのような使命感に反感すら覚えはじめる家族、どちらの気持ちも静かに、細やかに描かれていた。どちらも最後までは譲れず、譲れるはずもなく、という展開が、言ってみればわざとらしくなくて良い。
死が身近な紛争地域と、家族の住むアイルランドの平穏な田舎町のコントラストも、見事。出てきた空港は、ダブリンの空港だろうか。何度か使ったことのある空港なので、どこか懐かしい思い。
最後は、どこか唐突に幕を閉じたような気がしたが、冒頭の彼女の行動との対比が生かされている。爆弾を抱えて出発するのが、自分の娘くらいの年頃の子供だと知ったとき、レベッカはもはや写真家ではなく、ひとりの母親となる。果敢にシャッターを切っていた彼女は、そこにはいない。 思わず膝を折り、その場に崩れる彼女の姿が、いつまでも印象に残る。
2018/07/20
あなたの腕で抱きしめて
I dine hænder / In Your Arms / 2015
デンマーク、コペンハーゲン。孤独な看護師マリアは、不治の病をもつ青年ニールスの介護をしている。ニールスは、スイスでの安楽死を望んでいた。衝撃を受けるマリアだったが、彼の母親に頼まれて、ニールスとスイスへ同行することになる。
特に理由もなくゲオでレンタル。しばらくは観ていて「これはどこの国の言葉だろう」とそればかり考えてしまった。オランダ語?ドイツ語?と浮かんでは消えて、調べてやっとデンマーク語とわかる。デンマーク映画は2014年に観た『ロイヤル・アフェア』以来だ。
決して悪い意味ではなく「映画らしくない映画」だと思った。
台詞は少なめだが、ドキュメンタリー風のカメラワークながらも確実に時間が進んでいく。最初はぼんやりとしか見えない人物にも、徐々に、でも完全ではないながらも、形が見えてくる。この、完全ではないながら、というのが重要で、だからこそ自然で、心地よいほどに淡々としていて、いわゆるハリウッド映画を見慣れている人には、ちょっと物足りないかもしれない。
安楽死を描く物語、というよりも、安楽死を迎える人を見守り、その人の決意や死をなんとか受け入れようとする人たちの物語だと思った。
同じようなテーマで『世界一キライなあなたに』を思い出させるけれど、こちらのほうがずっと重い。
2018/07/15
セイフ・ヘイヴン
Safe Haven / 2013
ボストンから、はるばるアメリカの南部の小さな港町サウスポートへとやってきた女性ケイティ(ジュリアン・ハフ)。そこで新たな生活を始めた彼女は、数年前に妻を亡くして以来、男手ひとつで2人の子供を育てるアレックス(ジョシュ・デュアメル)と出会い、惹かれ合っていく。近所に住む女性ジョー(コビー・スマルダーズ)とも仲良くなり、平穏な日々を過ごすケイティ。ところがある日、アレックスは彼女が全国で指名手配されていることを知り、動揺するが....
原作は『きみに読む物語』などのニコラス・スパークス、監督はラッセ・ハルストレム。めずらしく恋愛映画でも、と思ってレンタルしてきた。恋愛映画はあまり観ないので、ニコラス・スパークス原作の映画はこれが初めてとなった。
中盤までは、「ジョシュ・デュアメル好きだったらおもしろいかな~~」とぼんやりと観ていたが、真実が明らかになってからラストまでは目が離せない展開に。
そして、やっと平和を取り戻したかと思いきや、最後の最後にもっとびっくりな展開に。
と初見は驚かされてばかりで、また最初から観たくなる作品だったが、落ち着いて振り返るとやや詰めこみすぎでは?とも思わされた。映画だからこそ、それはそれで楽しめるからいいのだけれど。
※ここからネタバレ含みます。
映画を観て「えっっ、」と声を上げてしまったのは久しぶりだった。
というのも、ケイティを執拗に追いかけていた刑事が彼女の夫だとわかった場面。
しかもその夫、ケヴィンは、最初はクールな敏腕刑事風だったが、徐々に異常な行動が目につくようになり、「ただ仕事熱心...なのか?」と思いきやよく飲んでいた瓶の中身はアルコール。
やっとケイティを見つけたころには哀れなほどダメ男と化していて、最後はビョーキ男に。俳優の演じ分けが見事だった。なぜか説得力があったもの。
番外編として、ケイティとケヴィンの出会いから関係の崩壊までを描いた作品がちょっと観たい気もした。逆を言えば、ケイティが最後までどういう女性なのかよくわからなかったから。 原作はどこまで描いているのだろうか。
2018/05/22
2018年5月鑑賞リスト
今月は劇場映画を2本!
よく行く映画館とその周辺が, アメリカの寂れた田舎町みたいだということに気づいて少しだけにやついてしまった. ちなみにアメリカへ行ったことはない. でも映画でたくさん見てる. はず.
『君の名前で僕を呼んで』
はじめてこの映画のことを知ったときはタイトルに「?」と思い,
それが原因ではないけれど内容も知らないまま何となくスルーしようとしていた.
なぜ観ようと思ったのか今では忘れてしまったけれど, 観て大正解!
まずはオープニングから「ただの映画ではない感」が一気に押し寄せる.
舞台そのままの80年代に制作された映画なのかと思った.
主人公エリオとその家族の生活があまりにも優雅で自由でうらやましい.
お父さんの最後の言葉が胸にじわじわ染みていく.
すばらしい映画体験だった.
あまりのすばらしさに現実に戻るのがつらい, と思ってしまう.
アーミー・ハマーが「ラブシーンより恥ずかしかった」と言っていたらしい彼のダンスシーンは必見である.
『アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル』
前述の『君の名前で~』を観たとき, この作品の予告編にお目にかかった.
どこからどう見ても「キツそう」な映画だという印象で, 観たらいろいろと吸い取られて疲れそうだな~と敬遠していたものの,「やっぱり観たい!映画!」と思い直し鑑賞.
これでもかというブラックコメディーだったものの,不思議と疲れなかったのはテンポの良さとキャストの熱演のおかげかな.
今作でゴールデングローブとアカデミー助演女優賞を獲ったアリソン・ジャネイ(『ジュノ』のあのお母さんと同一人物とはとても思えない)はさることながら, それ以上に無冠なのが納得できないほどエネルギッシュで目に焼きつくような演技を見せたマーゴット・ロビーが!すごかった!
事実は小説よりも奇なり.
エンドロールが粋だなと思いました. ほぼ事実を扱いつつも, 映画らしい映画.
★強烈な母親がトーニャに言った言葉
Hey! Kiss your mother goodbye.
kiss someone goodbye : to kiss someone when you leave or when they leave you
また, イディオム的で皮肉的な以下のような意味もあるようだ.
to lose or end something, especially suddenly; to be forced to accept such a loss or end
(Example)
You were caught drinking on school property? Well, you can kiss your brand new car goodbye, mister! (The Free Dictionary)
あとはどういうわけか(というか研究のためなんですが)『ワイルドシングス』を観て, どんでん返しの連続に最後は食傷気味に.
私はマット・ディロンを最初に見たのがたしか『メリーに首ったけ』だったので彼がイケメン俳優扱いされていたのが「?」だったのが, 『ワイルドシングス』を観たらなんとなくわかったような, そうでもないような.
よく行く映画館とその周辺が, アメリカの寂れた田舎町みたいだということに気づいて少しだけにやついてしまった. ちなみにアメリカへ行ったことはない. でも映画でたくさん見てる. はず.
『君の名前で僕を呼んで』
はじめてこの映画のことを知ったときはタイトルに「?」と思い,
それが原因ではないけれど内容も知らないまま何となくスルーしようとしていた.
なぜ観ようと思ったのか今では忘れてしまったけれど, 観て大正解!
まずはオープニングから「ただの映画ではない感」が一気に押し寄せる.
舞台そのままの80年代に制作された映画なのかと思った.
主人公エリオとその家族の生活があまりにも優雅で自由でうらやましい.
お父さんの最後の言葉が胸にじわじわ染みていく.
すばらしい映画体験だった.
あまりのすばらしさに現実に戻るのがつらい, と思ってしまう.
アーミー・ハマーが「ラブシーンより恥ずかしかった」と言っていたらしい彼のダンスシーンは必見である.
『アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル』
前述の『君の名前で~』を観たとき, この作品の予告編にお目にかかった.
どこからどう見ても「キツそう」な映画だという印象で, 観たらいろいろと吸い取られて疲れそうだな~と敬遠していたものの,「やっぱり観たい!映画!」と思い直し鑑賞.
これでもかというブラックコメディーだったものの,不思議と疲れなかったのはテンポの良さとキャストの熱演のおかげかな.
今作でゴールデングローブとアカデミー助演女優賞を獲ったアリソン・ジャネイ(『ジュノ』のあのお母さんと同一人物とはとても思えない)はさることながら, それ以上に無冠なのが納得できないほどエネルギッシュで目に焼きつくような演技を見せたマーゴット・ロビーが!すごかった!
事実は小説よりも奇なり.
エンドロールが粋だなと思いました. ほぼ事実を扱いつつも, 映画らしい映画.
★強烈な母親がトーニャに言った言葉
Hey! Kiss your mother goodbye.
kiss someone goodbye : to kiss someone when you leave or when they leave you
(Macmillan Dictionary etc.)
そのままの意味だが, kiss goodbye to someoneと言い換えることはできないだろう. goodbyeはkissの目的語ではなく, 副詞的なのかな?また, イディオム的で皮肉的な以下のような意味もあるようだ.
to lose or end something, especially suddenly; to be forced to accept such a loss or end
(Example)
You were caught drinking on school property? Well, you can kiss your brand new car goodbye, mister! (The Free Dictionary)
あとはどういうわけか(というか研究のためなんですが)『ワイルドシングス』を観て, どんでん返しの連続に最後は食傷気味に.
私はマット・ディロンを最初に見たのがたしか『メリーに首ったけ』だったので彼がイケメン俳優扱いされていたのが「?」だったのが, 『ワイルドシングス』を観たらなんとなくわかったような, そうでもないような.
2018/04/17
2018年1~4月:鑑賞リスト
『わたしは、ダニエル・ブレイク』
2018年初めて観たのが、この作品。レンタルした。
言ってみればかなり地味な作風、だからこそ現実的で、
ショッキングな場面が多かった。最後まで。
きっとよりたくさんの人に観てほしいというのもあっての、パルムドール受賞なのだろうな、と感じ入りながらエンドクレジットをただ茫然と見つめていた。
『ヒトラーの忘れもの』
第二次世界大戦後のデンマークに、地雷を除去するために送り込まれたドイツの少年兵たちの話。
初っ端から恐ろしさに震え上がるような迫力の軍曹、
どう関わっていくのかと思いきや、その少年兵たちが地雷を取り除くのを指揮するのだ。
「これは作りもの...映画...!」
と言い聞かせなければ本当にやっていられないシーンが続出し、
観たあとは疲労でいっぱいに。
それでもデンマークの自然の美しさや音楽にどうにか癒される。
そんな作品だった。
やっぱりアカデミー賞外国語映画賞、のノミネート作品や出品作品は見逃せない、と思う。
『ぼくとアールと彼女のさよなら』
どんな話なのか、病気の女の子が出てくるのか、そうか、と思って
とりあえず録画はしたものの長らく放置していたのが
一度再生ボタンに手をのばしたら見事に最後まで引きこまれた。
『ラブリー・ボーン』でも使われていたBrian Enoの曲と、ある場面でのコラボレーションが素晴らしいの一言。
音楽と映像と、それを目に焼きつける登場人物の表情だけであれほど感情をぐわんぐわん揺さぶられるとは思わず、気がついたら涙がこぼれていた。
でも悲しいからではなくて。圧倒されての、涙。
『シェイプ・オブ・ウォーター』
めずらしく友人と劇場で鑑賞。
人と観に行くと気まずい、というのをあとから知った、
まあそれが親じゃなくてよかった(笑)
好きか嫌いかと言われれば好きだし、観たあとはどっと疲れた(満足した)けれど、
正直なところ「1回でいいです」。
『メッセージ』
WOWOWにて。
サピア=ウォーフの仮説の勉強にはもってこい!これ観たら絶対忘れません!
言語学を専攻しているので、このいわゆる言語相対主義をつかって物語を作るとなるとこうなるのか、とそれだけで感無量だった。
『ライオット・クラブ』
私がイギリスでの留学をはじめた2014年秋ごろ、
町なかでポスターを見かけていた作品。
英国のイケメン若手俳優勢ぞろい、だけれど中身はとんでもない下衆。
実はオーストラリア出身のサム・リードの出演が嬉しかった。好きなので。
どうでもいいのですがposhのイギリス発音が好きです。
『レッド・スパロー』
気分転換と「スパイものが好き」という理由で劇場へ。
とんでもない豪華キャストだったので劇場の椅子のうえで驚いていた。
ジェニファー・ローレンスの七変化が楽しめるほか、
ロシアや東欧の怪しい雰囲気のなかでのスパイ活動、やはり映える。
ロシア人の設定なのにほぼ英語だったり、そもそもキャストにロシア人ほとんどいなかったり、そこがかなり引っかかって集中できなかった、のは最初だけ。
全体として楽しめた。
たしか前述の『シェイプ~』 の本編開始前にこの予告を見たのだが、
なんとなく、「お気楽な展開のハリウッド的スパイ映画?」と思いそれほど興味はなかった。もし同じ理由で鑑賞を見送ろうとしている人がいたら、おすすめしたいところだ。
2018年初めて観たのが、この作品。レンタルした。
言ってみればかなり地味な作風、だからこそ現実的で、
ショッキングな場面が多かった。最後まで。
きっとよりたくさんの人に観てほしいというのもあっての、パルムドール受賞なのだろうな、と感じ入りながらエンドクレジットをただ茫然と見つめていた。
『ヒトラーの忘れもの』
第二次世界大戦後のデンマークに、地雷を除去するために送り込まれたドイツの少年兵たちの話。
初っ端から恐ろしさに震え上がるような迫力の軍曹、
どう関わっていくのかと思いきや、その少年兵たちが地雷を取り除くのを指揮するのだ。
「これは作りもの...映画...!」
と言い聞かせなければ本当にやっていられないシーンが続出し、
観たあとは疲労でいっぱいに。
それでもデンマークの自然の美しさや音楽にどうにか癒される。
そんな作品だった。
やっぱりアカデミー賞外国語映画賞、のノミネート作品や出品作品は見逃せない、と思う。
『ぼくとアールと彼女のさよなら』
どんな話なのか、病気の女の子が出てくるのか、そうか、と思って
とりあえず録画はしたものの長らく放置していたのが
一度再生ボタンに手をのばしたら見事に最後まで引きこまれた。
『ラブリー・ボーン』でも使われていたBrian Enoの曲と、ある場面でのコラボレーションが素晴らしいの一言。
音楽と映像と、それを目に焼きつける登場人物の表情だけであれほど感情をぐわんぐわん揺さぶられるとは思わず、気がついたら涙がこぼれていた。
でも悲しいからではなくて。圧倒されての、涙。
『シェイプ・オブ・ウォーター』
めずらしく友人と劇場で鑑賞。
人と観に行くと気まずい、というのをあとから知った、
まあそれが親じゃなくてよかった(笑)
好きか嫌いかと言われれば好きだし、観たあとはどっと疲れた(満足した)けれど、
正直なところ「1回でいいです」。
『メッセージ』
WOWOWにて。
サピア=ウォーフの仮説の勉強にはもってこい!これ観たら絶対忘れません!
言語学を専攻しているので、このいわゆる言語相対主義をつかって物語を作るとなるとこうなるのか、とそれだけで感無量だった。
『ライオット・クラブ』
私がイギリスでの留学をはじめた2014年秋ごろ、
町なかでポスターを見かけていた作品。
英国のイケメン若手俳優勢ぞろい、だけれど中身はとんでもない下衆。
実はオーストラリア出身のサム・リードの出演が嬉しかった。好きなので。
どうでもいいのですがposhのイギリス発音が好きです。
『レッド・スパロー』
気分転換と「スパイものが好き」という理由で劇場へ。
とんでもない豪華キャストだったので劇場の椅子のうえで驚いていた。
ジェニファー・ローレンスの七変化が楽しめるほか、
ロシアや東欧の怪しい雰囲気のなかでのスパイ活動、やはり映える。
ロシア人の設定なのにほぼ英語だったり、そもそもキャストにロシア人ほとんどいなかったり、そこがかなり引っかかって集中できなかった、のは最初だけ。
全体として楽しめた。
たしか前述の『シェイプ~』 の本編開始前にこの予告を見たのだが、
なんとなく、「お気楽な展開のハリウッド的スパイ映画?」と思いそれほど興味はなかった。もし同じ理由で鑑賞を見送ろうとしている人がいたら、おすすめしたいところだ。
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