2014/02/28

2月後半の鑑賞リスト タイトルと一言感想

「人生、ブラボー!」
カナダのフランス語圏の映画って新鮮。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」
原作の洋書を読んでからと思っていたのについ観ちゃった。男の子の演技が説得力十分ですごかったです。

「トリスタンとイゾルデ」
王様が良い人すぎてそっちに惚れそうになった。ルーファス・シーウェル...

「アンナ・カレーニナ」
舞台みたいな演出は長引くとちょっと飽きた。アーロン・ジョンソンがかっこよすぎて彼のおかげで観られたようなものかもしれないです。

「レオン」
放送してたら何度でも観ちゃう。エンディングのスティングの曲が相変わらず素晴らしい。

2014/02/27

鑑定士と顔のない依頼人



めずらしく邦題の方が好みだったのでタイトルも邦題で!

原題:The Best Offer

無料優待券をもらったので、車で片道1時間かけて行ったことのなかった劇場へと足を運んできました。

この映画のことは先日まで全く知らなかったのですが、Twitterを眺めていてよく目にとまった不思議なタイトル。感想も何やら不穏な感じで…とりあえず事前にキャストだけチェックして劇場へ。ストーリーも特に知りませんでした。

始まってみると、もうスクリーンに釘付けになってしまいました。

鑑賞の最中に、「ああ、私いま映画みててすごく幸せ」とほんのりあたたかい気持ちになった映画は初めてでした。それも何度も、そんな感情につつみこまれました。

ストーリーについては触れませんが…ちょっと我慢できなくなったので、思うところを勢いにまかせて書きたいと思います。つまり何が言いたいのかというと、ネタバレです。

(ネタバレ含みます)
(観た人にしか正直何を言ってるのかさえわからないネタバレかと思います)



この映画には完全にだまされたというか…だまされることを楽しむことのできるかなり貴重な映画なのかもしれません。この映画のことは大好きになったけれど、Blu-rayを購入しようとかはあまり考えなくなりました。初めて観たときの衝撃やそれを越えての喜びに似た感情を経験することはもう二度とできないのです。それがなんだかちょっぴり寂しいような気もします。

映画で印象的だったのは、主人公ヴァジルが頻繁に口にしていたauthenticという言葉。簡単に言うと「本物の」という意味です。何度も何度も口にしていたので、この映画のキーワードの1つなのだと思い、観たあとはそう確信しました。

クレアとの、結果的には「偽物」にすぎなかった愛ですが、それは「本物」を愛し価値を認めていたヴァジルの心に、何物にも代えがたい永遠を残していきました。終盤からうかがえる、クレアの母親ではなく実は彼女自身を描いていたという点で「偽物」である例の絵画を、ヴァジルがずっと所有している様子もそれを示唆しているようです。

また、本作はハッピーエンドでもバッドエンドでもない、でもどちらかと言えばハッピーエンドなのかな?と感じました。鑑賞する私たち他人から見れば確かにかわいそうな話ではありますが、真相をつかんだあとのヴァジルの表情は空虚なようでいてどこか恍惚としているようにも。あの人はあれはあれで幸せなのかもしれないな、とすぐに忘れ去られてしまう噂話のネタにでもなりそうなお話です。

本物の美術品と共に、最高の映画体験をすることができました。絵画好きな私には特にたまらない映画でしたよ。

2014/02/23

2月前半の鑑賞リスト

最近ブログが使いにくいので画像も何もなしで見にくいけれども鑑賞リスト~

「スライディング・ドア」
(Sliding Doors. 1998. イギリス・アメリカ)
この映画のことは本当にずっと前から知っていたのですが、最初から最後まで観たのは初めてでした。

ふとした出来事がきっかけとなり、主人公の人生がふたつに分かれていきます。ふたつの人生は交互に描かれ、描かれた世界を「え、どうなってるの??」と思いながらも映画はそれには答えてくれず、ただ眺めることになりました。不思議な映画です。

本作のジョン・ハナがたまらなくいい!こんな男性がいたらついていきたいです。

「ヒース・レジャーの恋のからさわぎ」
(10 Things I Hate About You. 1999. アメリカ)
これは原題がいいですね...ヒロインの性格もよく表れているようで。
ヒース・レジャーのかっこよさに痺れると共に、やはり彼はもうこの世にはいないんだなあと思うと胸がしめつけられます。

突っこみどころは満載。特に話の大枠となる、可愛い妹は強面の姉がデートしない限りデートできない→妹とデートしたい男たち(約2名)が姉を誘惑するためにあの手この手を使う、という設定にはいつ観ても笑えます。そんなのいくらでも方法あるだろ!と思ってしまうものの、真剣な人物たちのあれやこれや、観ていて映画なのにどことなく舞台っぽくて好きです。

「天才マックスの世界」
(Rushmore. 1998. アメリカ)
出た出た、私の大好きなウェス・アンダーソン監督×子供!!

ジェイソン・シュワルツマンが出ていることは知っていたものの、まさか彼がその「子供」とは…。大人になってからの彼しか知らなかったので、初っ端からそれがすごく新鮮でした。

本作のビル・マーレイは素晴らしいです。マックスに何をされても彼を心から包みこむような存在感、もちろんそれが大きなテーマではないのですが。

もっと早くから知りたかった作品でした。

「ギャザリング」
(The Gathering. 2003. イギリス・アメリカ)
この映画の何が好きって...
設定:田舎町の地下で古い聖堂が発見される、謎のヒロイン(記憶喪失)、不思議な出来事
舞台:イギリス・グラストンベリー!!
出演者:クリスティーナ・リッチ、ヨアン・グリフィズ、スティーヴン・ディレイン!
どこからどう見ても平和なイギリスの田園風景、田舎町に、起こる不思議な出来事...ミスマッチなようでよくできた設定にわくわくします。
この作品でのヨアン・グリフィズはとにかくかっこいいです(結局そこでした)
イギリス製というのがこれでもかというほどに分かる、ちょっと安っぽくて野暮ったい感じのあるサスペンスです。振り返れば腑に落ちない点もあったりするものの、観たあとは心がどことなくひんやりとしてしまう不思議な映画。ラストには切なさもあります。あまり知られてはいないようだけれど私これ大好きです...オススメです!!

「デンジャラス・ビューティー」
(Miss Congeniality. 2001. アメリカ)
これはもう何度も観てるのでテキトーに書きますね笑
変身後のサンドラ・ブロックがムダ毛処理班とかスタッフ全員引き連れて歩くシーンと音楽がいつ観ても最高です。サンドラ・ブロックへの愛を再確認しました。ちなみに「2」は観ません笑

「告発の行方」
(The Accused. 1988. アメリカ)
アメリカで6分に1件起きている(制作年の1988年当時)とされるレイプ事件を扱った、かなりズシリと来る映画でした。

ジョディ・フォスターは本作で初めてのアカデミー賞を獲得しています。彼女とアカデミー賞といえば「羊たちの沈黙」(大好き!)が真っ先に思い浮かぶ私ですが、本作も観てよかったです。彼女がオスカーを本作で獲った決め手のひとつは、私が女性として、いえ人間として直視できなかった場面にあるのだろうなあと思いながら。

本作はアメリカが得意とする法廷映画のひとつとも言えるのでしょう。でも、双方が公平に描かれ、決して被害者側へと感情移入を促すようにはできていないことに気づかされました。特に、実際のところ主人公に何が起こったのか観る側にも終盤までわからないし、主人公がパートナーとなる検事補に隠していたことも数点あります。もちろん直接の加害者は明らかに悪いと思えるものの、他のまわりで見ていた人たちも本当に罪に問われるべきなのか?とふと思わせられました。だからこそ、最後は本当にどうなるのかわからなくて、観ながらも心臓がとめどなく揺れ動いた映画は久しぶりでした。

2014/02/15

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ


(Only Lovers Left Alive. 2013. アメリカ・イギリス・ドイツ)

緊張しながらの、初めて行く劇場での鑑賞でした。

☆鑑賞の決め手:ミア・ワシコウスカ!!(単純すぎw

ジム・ジャームッシュという監督のことさえよく知らずに、ただミアちゃんのためだけに観にいきました。

ヴァンパイアとして生きるアダムとイヴの物語。…と、今ヴァンパイアとして生きる、と言いましたが、特別な使命感とか宿命とかそういう熱っぽいのはなくて、闇に生きる、というかただ闇で過ごすヴァンパイアの日常を気だるげに描いてるような映画だと感じました。グラスで血を飲んだり、血でできたアイスバーをなめたりと血との関わり方はかなりスタイリッシュ、を通り越してシュール?

音楽が印象的です。特に、きっとほとんど全編に渡って鳴り響いてたのではというアダム作曲のもの。観終えた今となっては曲調は記憶の彼方ですが、もう一度聴いたら瞬時にすべて思い出せそう。

待ちに待ったミアちゃんの登場は突然でした。ミアちゃんはティルダ・スウィントン演じるイヴのトラブルメーカーの妹エヴァという設定で、彼女が自分たちと会いたがっていることを夢で知ったアダムもイヴもイヤそうな顔。それに反して、私はエヴァの登場を今か今かと待ち望んでいたわけです笑

ミアちゃん、本作では今までのイメージを思いきり覆すような演技を見せてくれました。笑顔で、飛び跳ねるようで、おそろしく甘えん坊なのでした…顔立ちもいつもと違って見えました。夢に出てきたら怖いかも!

本作、なんといってもトム・ヒドルストンがよかったです!
今まで私はあまり入れこんでいない俳優だったのですが、これから彼の作品も観ていきたいです。低くて冷たげな声が印象的でした。

ティルダ様は、トムヒとは20歳離れているようにはとても見えませんでした。親子といってもいいのに、まるで恋人同士!美しい2人の、ラストのアレには心から縮み上がりました。

2014/02/02

1月後半の鑑賞リスト

「ボルケーノ」「危険なメソッド」「マリー・アントワネットに別れをつげて」「シャンドライの恋」


「ボルケーノ」
(Volcano. 1997. アメリカ)

こういうパニック映画は別に嫌いではないけれどあまり観ないので、久しぶりにどこかわくわくしながら観ました。というか、観たことなかったの!?って言われそうですが、ある特定のシーンだけ観たことがあったことに途中から気づきました笑

それは、アン・ヘッシュ演じる地質学者が、飛んでくるマグマのかたまりに逃げ惑う人々に対して、落ちる方向をよく見るように、と大声で叫んでいるシーン。なぜだかわからないけれど、印象に残っていたんですよね。ところでアン・ヘッシュって、思いもしないところに出演していたりする女優さんですけれど、こういう主役級の出演作もチラホラあって油断ならないなあなんて思います。

流れてくるマグマってせき止めてから大量の水をかけるだけでどうにかなるものなの?ともちろんマグマを見たことがないながらもツッコミを入れてしまいました。人が巻きこまれるところなんて描写がわりとエグくて、観ていてお腹がきりきり痛みました。知らない人同士が協力しあって苦難を乗り越えるという、アメリカらしいパニック映画を久々に観たひとときでした。



 
              「危険なメソッド」
(A Dangerous Method. 2011. イギリス・ドイツ・カナダ・スイス)

これずっと観たかったんです! 理由はもちろんファスベンダー!
ちょっと禿げかかっているし眼鏡だし髭は生えてるし、ということで個人的にはビジュアルとしてはマイナス面がやや多かったものの(わがままw)、いざ観始めると気にならなくなりました。

むしろ、そんなファスベンダーより気になるのは、やっぱりキーラ・ナイトレイ。
最近「プライドと偏見」でただひたすらどこから見ても美しいキーラを堪能したばかりなせいか、よけいにあのシーンが気になりました。そう、顎!(詳しくは言いません)

内容自体は、心理学な苦手なせいもあってあまり頭に入ってきませんでした(え
フロイトとユングってそういう関係だったんだ...と勉強にはなったけれども。そしてユングには愛人がザビーナのあとにもいたのね...とあとから余分な知識を入れました。

あと、全然関係ないのですが、ヴィゴ・モーテンセンがヴィゴ・モーテンセンに見えませんでした。あの人、変装してた???鼻のあたりなんかが。

ファスベンダー出演作にお約束(?)のファスベンダーの(すがり&)泣きシーンは、やはり本作にもありました。...が、個人的にはファスベンダー演じるユングにあまり共感できなかったせいかそれほど胸には来ませんでした。でも彼の一挙一動に心の中で何度も叫ばずにはいられなかった...かっこいい!!!!(結局そこかい

さすが世界の美しい男のトップに輝いただけあります。
これからも期待してますよ!




「マリー・アントワネットに別れをつげて」
(Farewell, My Queen. 2012. フランス)

レア・セドゥに注目しはじめてから気になっていた一作。マリー・アントワネットものってどうせ結末は有名だしマリー・アントワネットに共感できないしで苦手だったのですが、本作は一味違いました。朗読係の視点から、アントワネットやフランス革命による騒ぎを描いていきます。なかなか見応えありました。

気になった場面だけ言っておくと、ゴンドラの漕ぎ手の青年がちょっとかわいそうでした。レア・セドゥは男に翻弄されることのない(そしてどちらかと言えば女性に翻弄される?)役がなんとなく似合いますね。ちなみにその青年を演じていた俳優は監督の実の息子だったみたいです。またどこかで見かけるでしょうか。



「シャンドライの恋」
(Besieged. 1998. イタリア・イギリス)
これは完全に、衝動的にレンタルしました。新作扱いだったので、聞いたことのない作品ではあったけれど新作なのかな?と思ってたら、もう15年近く前の作品でした。監督はベルナルト・ベルトリッチ。共演はハリポタのウィーズリー家のパパ役でお馴染みの(パパ役になる前の)デヴィッド・シューリスと、タンディー・ニュートン。

台詞はわりと少なくて、D.シューリス演じるキンスキーが演奏するピアノの音色が印象的です。重要な場面でスローモーションになるところなんて古風だなあとも思わされるのですが、そこはイタリアの町の雰囲気と相まって魅力的にうつりました。
 
特にラストの切り方が絶妙です。観てよかった。デヴィッド・シューリスの切ない表情が胸に来ました。