2014/03/21

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋


  (W.E. 2012. イギリス)

あらすじ
国王に愛された人妻、と彼女に思いをはせる現代ニューヨークの女性


感想
ちょっと文句をつけがたい意欲作です。内容はかなり凝っています。

「英国王のスピーチ」でちょっとだけ出てきた、現エリザベス女王の伯父にあたるエドワート8世と、アメリカ人女性ウォリス・シンプソンの許されない恋を描きます。だから「英国王のスピーチ」とセットで観るとおもしろいかもしれません。雰囲気はなぜだか全然違いますが。

...といいつつも、この邦題に惹かれて観るとちょっとびっくりするかも。なぜなら物語の中心は、アビー・コーニッシュ演じる1998年ニューヨークに住む元学芸員ウォリー・ウィンスロップだから。彼女は自分の名前がウォリスにちなんでいるということからも、個人的にウォリスに惹かれています。仲がうまくいっていない夫に黙ってオークションで彼女の遺品を高値で買い取ってしまうほどに。

内容については、冒頭からいきなりDV夫が出てきて怖かった...。DV夫は人は違いますが本作ではまた出てきます。DVだけが理由ではありませんが、男性に受けは悪いかもしれません。というか男性には理解しがたい部分もあるかも。

正直なところ、ウォリーを演じるアビー・コーニッシュが個人的に好きだったり話の流れやちょっとしたスリルがあったりして、現代編の方がおもしろかったです。というかウォリスの方が正直途中からまぶたが重くなっ.....ウォリスとウォリーのエピソードが、うまい具合に重なり合っていくさまは観ていて心地よかったけれども。


個人的注目ポイント
1. 話のテンポが良い!
監督はマドンナです。あのマドンナですよ....。見間違いかと二度見しちゃいましたよ。前にも監督作はあるみたいですが、正直あまり期待してませんでした。そういうわけなのでびっくりすると共に、これがマドンナらしさなのかもしれないなあと漠然と思わされました。

特に、非常に細かいんですが、ウォリー(アビー・コーニッシュ)が夫ウィリアム(リチャード・コイル)とやり合うシーン。激しい視線で向き合ったあとに一瞬だけ2人同時に相手から視線を逸らすところがあるんですが、ただただ「かっこいい...」と感じました(必死なシーンなのに、ノンキなものです)。

2. オスカー・アイザック
鑑賞の決め手は実は彼だったりします...
夫とうまくいかない女性が出会い恋に落ちる男性としてはおとぎ話にも程があるよ!と言いたくなるくらい素敵な男性を演じています。

3. アンドレア・ライズボロー
「オブリビオン」で観たのが初めてでした。国王に王冠を投げ出すほど愛される女性ウォリスを熱演してます。本当は英国人なのに、見事に奔放なアメリカ人女性になりきっていました。さすがRADA出身!

4. 主題歌
マドンナの歌うMasterpiece、GG賞を受賞しています。歌詞が映画の内容を示しているともとれます。


おまけ
エドワード8世の弟でエリザベス女王の父親にあたる、そして「英国王のスピーチ」ではコリン・ファースが演じていたジョージ5世を、本作ではジェームズ・フォックスが演じています。「穴」でキーラの彼氏を演じていたあの男ですw
また、現代のウォリーを演じていたリチャード・コイル、本作では本当にろくでもない男(動機は最後までよくわからなかったけれど)を演じていましたが、声がなかなか素敵な英国俳優でした。なんとなくマイケル・シーンに似ていなくもないのでした。

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